さて、先週に引き続き、実力を上げる方法の話です。
実力を上げるには、ずばり2つの方法があります。
ひとつは、得意なことをとことん伸ばす。
もうひとつは、得意でないものにチャレンジしてみる。
先週は、こんな話をしました。
じゃあ、私の場合はどうでしょうか。
実は、両方をちょっとずつやってきている気がします。
小さい頃からピアノは結構得意なほうでした。
練習をしていてあまり難しく感じることはなかったのですが、
面白いことに、むしろ打楽器、なかでも、鍵盤打楽器は
ほんとに苦手だったんです。
信じられないでしょう????
いまやマリンバ専門家の私の、秘密の過去です(笑)。
たぶん、自分に対する大きな課題だ、と感じていたのでしょう。
そのために、わざわざ鍵盤打楽器を専門に勉強しはじめて
プロにまでなったのだと思います。
今になって、この選択については、まったく後悔していません。
この経験を通じて、できないことができるものに転じる喜びを
味わうこともできたし、それが大きな自信にもつながったからです。
それに、こういう体験をしていると、心が逞しくなります。
つまり、ひとつの成果を得る中で、
実は目に見えないもっとたくさんの成果を手にしているからです。
その一方で、書き物にも手を出し始めました。
もともと書くことは得意なほうだったのですが、
書いてみませんか?という提案を頂いて、そのままいろいろな
テーマで書く仕事をさせてもらってきています。
この分野に関しては、無茶苦茶無理をしてがんばってきた
というわけでもありません。
苦手なものをがんばる一方で、得意なことをさらに伸ばす、という、
まさにバランスですよね。
何をどういう力配分でやるかについては、結局、
どういうタイミングで物事がやってくるか、
そして自分は直感的にどう感じているか、にもよると思います。
あまり周りの人の意見を聞きすぎず、むしろ、自分がどういう方向に行くのが
状況にとって最も相応しいのか、そして自分もハッピーになるのか
を感じたままに素直に選択することが一番だと思います。
世の中には、上達しなくてはいけないもの、避けては通れないもの、
興味がなくても取り掛からなくてはいけないもの、そういったものが
たくさんあります。
なぜなら、あなたの進む道のど真ん中にそれがドンと居座っていて、
そこを通過しないと、次にいけない仕組みになっている場合があるからです。
例えば、私の経験では、書類作りでした。
いわゆる、手続きに必要な書類作りがほんとに苦手だったのです。
若い頃は、できるだけ避けて通りたいと常に思って生きていましたし
もしかしたら、それが嫌で嫌で音楽の道に行ったのかもしれないくらいです(笑)。
でも、よくよく辺りを見回してみると、成功している音楽家は、みな書類作りがうまいことに
気がついたのです・・・・。
奨学金を得る。
コンサートの契約を取る。
キャリアのありとあらゆるステップを上がるには、
上手な書類作りが欠かせなく、それらが上手な音楽家が結果を
手にしている、という事実に気がついたのです。
“なんだ・・・・結局、避けて通れないのか・・・・。”
それがわかってからは、嫌々ながら、書類作りをきちんとやるようになりました。
はじめは、そういう仕事が得意な父に手伝ってもらい、
そのうちコツがつかめるようになると、自分で進んで作成するようになり、
今では得意なものの一つになってしまいました(笑)。
慶應義塾大学で私が開講した「キャリアマネージメント」のクラスも
説得力のある授業草案を作成してプレゼンできたからこその
成果なんですよ。
(だって、音楽家が指導するキャリアマネージメントなんて、
今と違って、当時はまだ認知されること自体が難しかったですからね。)
みなさんも、自分の進んでみたい方向性を、おおまかでも良いので
描いてみてください。
そうしたら、その過程で、避けては通れないモノやコトが見えてくるでしょう。
こうなったら、何はやっておいたほうがいい、とか、これはやっぱり避けて通れないね、
というものに少しでも着手していくことをおすすめします。
最初は「ゲ」と思うような嫌なことでも、やっているうちに
得意になる可能性が大です。
私で実証済みです(笑)。
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フランソワ デュボワ。
東京在住。
作曲家・マリンバソリストと、キャリア教育の仕事をしています。