中国のこと(2)

きのう木曜のつづきで、今週2回目の更新です。

中国の世界大会に出場してきたお話です。

さて、武当山の武術学院でみなにあいさつし、
翌日には、全員で山を降りて、大会が開催される十堰市に移動します。

十堰市は、大会のために全市を挙げて「大会受け入れ態勢」にして
世界中からの選手の到着を待ち構えています。

市で一番立派なホテルに到着し、大会用の登録を済ませ、
全員が部屋に落ち着きます。

翌日は、朝一番で、チームコーチとチームリーダーが
政府関係の建物に大型バスで移動します。
軍が警備する敷地内に入ると、立派な会議場に通され、
そこで大会の会長、理事長、湖北省の偉い人、審査員長など
そうそうたるメンバーが壇上に並んで、それぞれにスピーチをし、
そして大会のルール説明に入ります。

世界中の約90カ国から2,000人以上の選手を集めた
武術のオリンピック大会さながらです。

そして、夜はいよいよ大会開会式です。
チーム全員が、ふたたび大型バスに乗せられてスタジアムに、
警察の警備つきで移動すると、他の日本から参加したチームと合流します。

巨大な日の丸が用意され、その後ろの日本から参加している
チームごとにプラカードを持った女性がずらずらっと並んでいます。

もちろんWIMAのプラカードもあります。
その後ろに並んで、いよいよ、スタジアムに「選手入場」の行進です。

スタジアム入り口から中にゆっくりと入っていくと、
もう見たこともないほどのスケールの光景が目の前に広がっています。

満員の客席、数え切れないほどのライトと旗、コンパニオンの女性、
大会キャラクター「当当(ダンダン)」が大量に踊っています(笑)。

爆音で流れる音楽にあわせて、世界中からやってきた選手達が
ゆっくりとトラックを歩きながら、TV中継されているカメラに向かって
手を振ります。

【YouTube】入場行進の様子(アメリカチーム撮影)

http://www.youtube.com/watch?v=kJpj2Ple4Fg

信じられない光景は、このあともまだまだ続きます。

選手全員が入場し終わると、今度は、客席に上がり、
2時間のセレモニーを堪能します。

何百という数のダンサー、花火、巨大スクリーンに映される映像、
そして、中央ステージで歌い踊るスター達。

一番の目玉スターは・・・・あのジャッキー・チェンです!

「成龍!」(ジャッキーの中国語名)というアナウンスが場内に響くと、
割れんばかりの拍手と悲鳴で、もう何がなんだか分かりません。

僕は望遠で写真を取りまくり、他のチームメイトはビデオカメラを回します。

【YouTube】ジャッキー・チェン登場シーン

http://www.youtube.com/watch?v=Uijv_5Ro34k

そんな調子で2時間のスペクタクルは、延々とエネルギッシュに最後まで
続きます。

中国ほどのセレモニーの迫力は、欧米や日本、アメリカでは見たことがありません。
あれを実現させようとする根性が凄い(笑)。
(予算も凄そうだけど、政府がホストなので僕たちには分かりません。)

そして、翌日から大会本番です。

まずは、WIMAチームの女性の太極拳チームが、17日の夜遅くに本番を迎えます。

いよいよ、選手がアリーナに並んで、これから出番・・・・と言う時に
コーチである僕のところにCCTV1(日本で言うNHKみたいな国営第1放送)
がカメラとマイクを持ってインタビューにやってきました!

中国全土に生中継されてしまいました。

武当山についてどう思うか?
今回は、メダルを狙いに来たのか?

そんなようなことを聞かれました。
緊張しながら、言葉を選んでていねいに答えると、どんどんと質問が
増えてきます(笑)。

そうしているうちに、WIMAのチームの本番がすでに始まっています。
インタビューが終わり、途中からしっかりと見つつ、次の出番の人たちも見守り、
全員のスコアが電光掲示板に次々と大きく映し出されます。

そして・・・なんと、WIMAチームが金・銀・銅メダルを獲ってしまいました!
惜しくもメダルを逃した人もハイスコアで、今までに見たことが無いくらいの
いい演武でした。

金を獲ってしまった人は突然のことで緊張のあまり涙を流し、周囲のみんなも
呆然としながらも大興奮。

翌日の夜は、男性の太極拳の本番。
WIMAの男性選手は惜しくもメダルを逃しましたが、
非常に素晴らしいスコアを残すことができました。

WIMAは太極拳のスクールとして、まだ1年半の若い団体です。
それにも関わらず、世界大会に出場し、金・銀・銅メダルを
もらってしまうなんて、もの凄いことで全員がびっくりしています。

世界中から集まるありとあらゆるエネルギーを持った面白い人たちに
囲まれて、自分らしい演武をする。

緊張、プレッシャー、体調不良、様々な壁を乗り越えつつ、
本番を迎えます。

この経験を経て、みんなの顔つきが大きく変わりました。
そして人生の捉え方もきっと変わったと思います。

世界中で武術を愛する人たちと出会える大会は
本当に貴重な場です。
中国政府の気合の入れようも間近で見ることができますし(笑)
内陸部の人々の心や生活にも触れることができます。

大会本番を一通り終えると、また武当山に凱旋報告に行きました。
メダルを持って、再びお寺の道士たちに挨拶すると
みんなから祝福され、また武術学院の師匠と校長にも挨拶します。
こんなに楽しい時間を知りません。

今回の大会とその前後の体験は、また1冊の本になってしまいます。

それくらいに強烈な経験をしたWIMAチーム全員、いまは日本に戻って
きていますが、日常生活に再び戻るのがなかなか大変です。

それぞれのベストを尽くしたWIMAの人たちを心から誇りに思います。
そして、日本でWIMAを応援してくれていた残りのチームメイトのみんな、
ブログを追っかけてくれていたみんなも、ほんとうにありがとうございます。

人生は冒険に満ちています。自分が特別な誰かでなくても、チャレンジをしてみようと

思った瞬間から、刺激に満ちた毎日がやってきます。

そんなことを心から思った、今回の世界大会の旅でした。

さて、この興奮を胸に、11月13日14日の『秋のプチ合宿』にのぞみます。

大会の空気から一転して、恒例の御岳山(みたけさん)で、

ゆったりとした稽古をします。心と体の力を抜くことを最大の目的にします。

いまからとても楽しみです。

初心者、太極拳にちょっと興味あるかもという方、
参加者を募集中ですので、お友達といっしょにどうぞ。

興味のある方は、ぜひこちらから。

下の方に大会の様子を写真で紹介しています。

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11月13日14日「秋のプチ合宿inみたけ山」、ただいま参加者募集中!

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NIKKEI NET 日経 Ecolomy 連載

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警察が各国のチームバスを護衛してくれます 。

政府の建物でコーチ&チームリーダーのミーティング 。

議会場の中。

壇上には偉い人がずらっと。

フランスチームがいました。

左の黒人は、中国在住30年!国内で唯一の外国人カンフームービースターでもあります。

こちらはUSAチーム。

イタリアチーム 。

そして、日本のわがWIMAチーム!

(“武当内功学会”という名称はWIMAを中国語訳した名前らしいです。)

国旗を持って、このあと入場行進します 。

開会式会場に一歩入ると・・・・ずらっと各国パネルが並んでいます!

各国選手がスタジアムに入場行進します。

中に一歩入ると、もの凄い人波が待ち構えていました!

見渡すかぎりの、ひと、ひと、ひと、ひと、ひと、ひと・・・・・・・・・・・・。

とにかく、多い。多すぎる(笑)!

開会式スペクタクルの開始です!

開会の言葉は、ジャッキー・チェン!!!!!

もの凄い数の群舞 。

つぎつぎと衣装とシーンが入れ替わります 。

銅像も踊ります 。

イルミネーションでも魅せます 。

花火ももの凄い数が上がっています。

花火大会3本くらいを併せたくらいの数を上げていました。

翌朝の朝食後、真剣な顔でチームミーティング。

選手の控え室にて、ウォームアップ。

あと少しで出番です。

それぞれに最後の調整。

いよいよ、出番。

これからアリーナに向かいます。

アリーナはこんな感じ 。もちろん、TVで生中継されています。

審査員の方々。

電光掲示板に、WIMAのチーム名と選手の名前が出ます。

本番の最中。

本番の最中。

CCTV1(国営第1放送)からインタビュー中。通訳のTsongTsongも一緒に写ります。

WIMAの男性も健闘しました!

表彰式!!!!

カテゴリーごとに、金メダリストが表彰されます。

WIMAのメダリスト達。

武当山に“里帰り”(笑)。

やはり、山はほっとします。

お茶を飲みながら、管(Guan)師父に大会とメダルの報告。

「これからは、君の頭の上にも大きな責任が乗っかってきたんだぞ。」というしぐさの最中。

武当道教功夫学院(WIMAの母校)の門前で記念撮影。

武当山に行くと、いつも稽古をしている紫霄宮の前で、もう一度記念写真。

中国のこと(1)

とうとう東京に戻ってきました。

あまりにもたくさんのことを体験して、1回のブログでは語れないので、
(何回に分けても語りきれないですが・・・)少しずつですが
今週は2回に分けてアップしようと思います。

1回目(今日)は、稽古と体の故障について。
2回目(明日)は、今回参加した武術の世界大会とわがWIMAチームについてお話したいと思います。

今回の個人稽古は、1年前から考えて計画していました。

武当山(中国湖北省)に住むフランス人の友人のマークのつてで
武当山で修行をしたある偉大な道士で武術の達人に一対一の稽古をつけてもらえる
という話をまとめたのでした。

マーク自身も、非常に数奇な運命を辿った人で、30代の初めにフランスで
不慮の事故に遭い全身不随になり、そこから気功の修行を重ねて不随から回復した
気功師です。

僕の新たな師匠である道士の名前は王理生(ワン・リーシェン)、
家を持たずに中国全土を旅しながら、道教と武術を他の道士や村人に教え
伝えまわっている、世俗と距離を一定の置いて生きている方です。

マークがもともと知っている道士で、今回は彼の頼みということで
僕の稽古を承諾してもらいました。

実際にお会いしてみると、想像を絶するような力強さを持つと同時に、
信じられないくらいの心の広さと繊細さも持ちあわせている、
偉大な人物が目の前にいました。

僕の1日はまず朝6時からはじまります。
気功師のマークとともに、ラオインの街(武当山の麓町)の大広場で朝の気功を練習します。

そして9時には、今度は王理生師父と共に山の中で午前の稽古が開始します。
一対一の、昔ながらのスタイルで、師匠と武術の稽古です。
通訳としてマークかTsongTsong(後に大会の通訳係として随行してくれる、フランス語と
英語ができる女の子です)がいつも付いてきてくれます。
TsongTsongは2年来の友人です。
時にはどちらもアテンドできずに、僕ひとりで師匠のもとで稽古をしたこともありますが、
武術の稽古に言葉は必要ありません。
目の動きとしぐさですべての意図が伝わります。

昼食をとったあとは、午後の稽古が17時まで再びつづきます。
一日の終りにはくたくたですが、本当にたくさんのことを日々学びました。

ところが、個人稽古を残すところ4日となった時、体に重大な故障が起きました。
左肩に激痛が走ったのです。
あまりの激痛に病院に行き、レントゲンを撮って確認したところ、
もともと持っていた肩の石灰化が一段と進行して、かなりの大きさに発達していたのです。
日本でも過去に2度ほど痛み止め注射を打って治療をしたことがある箇所です。
石灰の塊はペットボトルのキャップぐらいの大きさにまでなり、レントゲンでもはっきりと分かります。
まるで、新しい骨が出現したような感じです。

医者もこれには驚きました。
激痛をこらえながら処置をしてもらい、なんとか稽古を再開しました。

肩の激痛を抱えつつも稽古の再開を切に願ったことがきっかけで
師匠との距離が一気に縮み、彼が僕を正式な弟子として受け入れてくれることになりました。

たとえ、「これだ!」と確信を得て信じた道を歩いていても、途中で何が横槍を入れてくるか
ほんとうに分かりません。
僕のような性格は、いろいろなことを見越して動くのですが、今回の状況ばかりは
ほんとうに想像を超えていました。

想像を超えたものも受け入れる。
目の前に突如現れる現実を避けずに見つめる。
そんなことを感じました。

すべての稽古を終了して、王師匠にお暇を告げ、
いよいよ14日に武当山に上がります。

山の中腹にある紫霄宮(ししょうきゅう)を訪れると
顔見知りの道士たちと次々と出会います。
そして、みんなが僕のことを覚えていてくれて、
挨拶をしてくれます。

元気だったか?
背中の痛みは治ったか?
耳はどうだ?指は?

次から次へと彼らと目をあわせ挨拶を交わしていると
昨日までの苦しい痛みとの闘いのご褒美をもらっているような気がしてきます。

そして寺に所属する武術学院に顔を出します。
日本の僕の太極拳の生徒さん6人が山で集中稽古をつけてもらっている場所です。
そして、山での僕の師匠、管師父にあいさつをします。

いよいよ、明日から大会に向けて、全員が動き出します。

つづく。

(次は、29日金曜に更新します。)

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■twitter:DuboisFrancois

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師匠の王理生(Wang Li Sheng)

マーク、中国人に気功を教えているところ

TsongTsong

武当山でお世話になったドクター

肩のレントゲン、大きな石灰の部分が見えますか?

久々に再会した武当山紫霄宮(ししょうきゅう)の道士

武術の世界大会リポート

武術の世界大会の速報を書きたいので、
木曜の更新を待たずにきょうはアップします。

僕らのチームWIMAは、全員が出番を終了しました。
そして、メダルを4つ獲得しました!!!

金1、銀1、銅2です:

金メダリストは、石井まゆみさん。
銀メダリストは、山中理恵さん。
銅メダリストは、藤井宏美さん、木村彩さん。

アスリートの人数は6名なので、
この確率はものすごいですね。

しかも、惜しくもメダルを逃した上田美紀子さん、
ガエル・ヴァッセールさんも、得点的にほんとうに
接戦だったのですばらしい健闘でした。

何よりも、全員が大会で見せた太極拳はそれぞれに
最高の出来だったのが、何よりもの結果です。
これはひとりひとりの稽古の賜物です。

大会慣れしている他の選手に比べると、
我々はまったくの初心者。
世界大会に出場するというプレッシャーの中で
精神と肉体の準備をするのも、選手としての
仕事です。

それらを良く乗り越えたと思います。

みんながアリーナで演武をしている最中に、
なんと僕はCCTV1(日本のNHKに相当する局)にロングインタビューを受けてしまいました。
もちろんWIMAチームの太極拳も流れました。

それが中国中に生中継されていたので、
直後に師匠から携帯に興奮と喜びの電話が入りました(笑)。

きょう19日は大会3日目ですが、WIMAチームは
全員出場を終えたので、リラックスモードに入りました。

大会そのものは、本当に大規模なもので、
予算の掛け方で政府と十堰(ショウヤン)市、そして
武当山の力の入れようがものすごく伝わります。

開会式は2時間にわたる一大スペクタクルで、
ジャッキー・チェンがメインゲストとして登場。
さらに、中国、台湾、韓国のスター歌手や役者、
グループが次々とステージに登場。
もちろん、カンフーや太極拳の演武もありましたし、
それらからインスピレーションを得た踊りも
ふんだんに見せてきます。

雰囲気を伝える写真はこちらからどうぞ。

明日は、午前中に武当山ツアーがあって
夜はいよいよ閉会式です!

日本に帰ったら、日本のWIMAチーム全員と
大祝賀会をしましょう!!!!!

第4回伝統武術大会HP