ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団のフランソワ・ブーランジェ

フェイスブック経由で、また旧い友人と再会しました。
フランソワ・ブーランジェ、ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団の指揮者です。

ギャルド・レピュブリケーヌとは、フランス共和国親衛隊のことで、フランス大統領や要人警護を務めたり、国賓への栄誉礼を担当しています。日本でも、フランス大使館の護衛を担当しているのが、彼らです。


通常、どの国の軍隊にも吹奏楽隊がつきますが、
フランスの場合は、弦楽器も入っているため、吹奏楽のみならず、オーケストラとしても演奏できるのが特徴です。

そのレベルの高さと迫力に、日本に初来日した際(61年)、これまでの日本人の吹奏楽のイメージを完全に吹き飛ばすくらいのインパクトがあったようです。(初来日の演奏が、2009年にNHKによってCD化されました。)


その指揮者であるフランソワ・ブーランジェは、僕のコンセルバトワールの先輩で、学生時代から非常に優秀な音楽家でした。

通常、コンセルバトワールでは専攻を一つ決めて、それを極めてから卒業していきますが、決められたレベルを達しないと卒業させてもらえません。
そして、落第のチャンスはたったの一度です。(二度目の失敗をしたら、退学です。)

そんな厳しい音楽の世界で、彼はピアノ、オルガン、打楽器など、5つもの専攻を持っていました。その後、指揮者として国際コンクールでも入賞し、ギャルドの指揮者としてキャリアを積んできました。

軍隊の隊員なので、「大佐」の階級を持っています。
公式HP(フランス語)

http://www.gendarmerie.interieur.gouv.fr/garde_republicaine/Unites/L-orchestre-de-la-Garde-republicaine/Biographie-du-colonel-Francois-Boulanger

今までも何度か来日していたようですが、この11月にも再び日本に来るので、僕らも少なくとも28年ぶりの再会を果たします。

彼がコンセルバトワールの卒業用コンクールを受ける時に、僕はちょうど彼が指揮するオーケストラの楽団員でした(笑)。

音楽家という仕事柄、何十年も会わなかった者同志が、世界のどこで、どんな形で再会するのかまったく読めないのが、おもしろいところです。

彼からのメールは「君のキャリアは、他の誰も真似ができない素晴らしいものだね!」という感嘆の言葉で締めくくられていました。
たしかに、音楽家で、キャリアマネージメントの専門家で、師範としてカンフーも指導している、コンセルバトワール出身の芸術家は、世界広しと言えども、あまり見つからないかもしれません(笑)。

来週前半は、先日、目黒不動尊でレコーデイングしたニューアルバムのミックスダウン作業が待っています。そして、後半は、旧友フランソワ・ブーランジェに会ってきます!

【Youtube: ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽】(オーケストラとは違う編成です。)

http://youtu.be/Q76zHs7IiOY

ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団(wikipedia)

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プレッシャーの多い現場でも、きちんと納得の行く結果を出すためのポイント

実を言うと、先日の目黒不動尊でのレコーディングは、まさに、タイトルの通り、かなりのプレッシャーにさらされた作業でした。

僕にとっては前作から実に12年ぶりのレコーディングでもあり、また、普通の音楽スタジオではなく、お寺のお堂という、たいへん特殊な場所で、たったの2日間で録りきる、という、難しい条件のオンパレードでした。

これだけ由緒あるお寺で、音楽を演奏・収録させてもらえるのは、僕らにとっては夢のような話です。
お堂の中の神秘的な雰囲気は、スタジオでは絶対に味わえません。お寺の存在感そのものも、レコーデイングされる一音一音に細かく反映されます。そして、それを拾い上げたい。そういう思いで、レコーディング・チームは臨みました。

しかし、実際のところは、収録時期が週末と重なってしまったため、お寺のご住職・副住職をはじめ、お寺関係者のおつとめの邪魔になってはならない、という大前提があります。それに大きなお寺ですから、週末はそれなりの数の参拝者もいますし、護摩法要もあったために余計に人出がありました。

僕らがレコーディング作業をするにあたって、お寺の神仏に失礼なことをしてはいけない、という最低限の礼儀があることは、言うまでもありません。

さらには、僕が引き入れたスタッフ全員をマネージする、というチームリーダーとしての役割もありますし、芸術総監督としての役回りもあります。
ひとりで何役もこなす必要に迫られています。
(ただスタジオ入りして、弾けばいい、というものではないんですね。とほほ。)

付け加えると、今回のアルバムは、9世紀から続く由緒ある目黒不動尊というという舞台を活かして、「瞑想」をテーマにすえた曲目ばかりです。つまり、音楽を聴いてくれている人が瞑想の境地に至れるような、深みのある世界を表現する必要があります。
そのためには、まず、演奏する僕らが、瞑想の本質をしっかりと理解していなくては、音がそのように鳴りません。緊張しっぱなしの状態では、鳴るはずの音も鳴りません。すばらしい楽器があっても、それを弾きこなせないと全く意味が無いのと同じです。

そのためには、適度な緊張を解かずに、しかし、緊張を忘れる。

こう表現すると、なんとも矛盾に満ちた、息苦しい時間ですね。(本当にそういう瞬間もありましたしね。)

結果としては、すべてが本当にうまくいき、おかげですばらしい、奇蹟的な音が録れました。観音堂の中で収録をしたのですが、目の前に佇む観音様に背中を後押しされたような瞬間が何度もありました。
そういうマジカルな境地に至れるようになるには、テクニカルに準備できることがいくつかあると思います。
それらを振り返ってみたいと思います。

●演奏やレコーディング条件を言い訳にしない。(準備時間が足りない、環境が特殊すぎる、レコーディング作業は久しぶりすぎる、など。)

●結果を意識する。(到達地点を明確に描く。)

これらのポイントは、絶対不可欠のように思います。言い訳は、はじめるとキリがありません。言い訳には、もっともらしいものもたくさんありますからね。
さらには、結果を明確に意識することも大切だと思います。今回は、「とにかく、プロとして誇れる音を、制限時間で録りきる。」制限時間で録りきる!というのは、大切だと思います。もうちょっと待ったら、きっといいのが録れる、という暢気な態勢ではダメなのです。レコーデイング作業というのは、時は金なり、です。1秒も無駄にしてはいけません。

今回のレコーディングは準備段階にもいろいろと難問がありました。
曲目を練習するにあたって、ものすごく時間が限られていたのです。それは音楽以外の仕事もたくさんやっているから、という現実的な問題から来ています。たとえ時間が少なくても、それを理由にするのは、プロではありません。時間が少ない中で、きっちりと、プロとしての音を出す。それは若い駆け出しの音楽家だった頃に、失敗もたくさんして、大先輩の巨匠達から厳しく叱られた経験が活きています。結果が出せずに、時には現場をクビになったこともあります。そういう苦しい経験を一つずつ積み重ねていって、身に着けて来たプロ意識と実力を発揮する。
しかも、レコーディングの直前に、フランスの実家に顔出しをしておかなくてはいけませんでした。移動の疲れや時差ぼけも計算に入れつつ、練習を欠かさず、母親の相手もきちんとしつつ、レコーディングのことを想定しながら、日々を過ごす。

さらには、帰国後、お寺でのリハーサルを積み重ねていく必要があります。
共演してくださるのは、プロの音楽家はなく、お寺の副住職つまり宗教家ですから、音楽の演奏現場に慣れている方とは勝手が違います。その方に、本番ですばらしい音出しと存在感を発揮していただくには、綿密なリハーサルが欠かせません。しかし、お寺という場所柄、当たり前ですが、リハーサルの日に急なお通夜やお葬式も飛び込んできます。さらには、副住職も、本来のお仕事の忙しいあいまを縫って、慣れない音楽のリハーサルに根気よく付き合ってくださいました。
そういった、双方にとって慣れない出来事や突発事項につねにドキドキしながら、本番までに音を仕上げていく、という精神的にもキツイ時期が続きました。

でも、自分は今どこを目指しているのか、というのを忘れずに動くこと。そして、言い訳をしない、という2つのポイントを明確に挙げて、あとはひたすら、淡々とこなすこと。

今回のレコーディングに際して、実は僕の周りに凄いチームが形成されたおかげで実現しました。

まずは、レコーディング・エンジニアの磯野順一氏と市村隼人氏。両名には、僕らの音楽の方向性を瞬時に理解してくれたおかげで、レコーディング作業が予想の何倍以上にもスムーズに進んだどころか、びっくりするようなクオリティーの音が録れました。(早くみなさんにお聴かせしたい!)

HDカメラ3台を巧みに操って、DVD用の映像撮影に大奮闘してくれた、ガエル・ヴァッセール君。本企画の映像ディレクターです。実は、彼は僕のカンフーの弟子の一人です。映像撮りという役回りのせいで、演奏者と一緒にお堂に篭って、すべてのレコーディング現場に立ち会ってくれるという、非常にエネルギーを消耗する仕事でした。彼は、どんな状況でも淡々と正確に動き回ってくれたおかげで、現場に落ち着きを持ち込んでくれた貴重なキャラです。(緊張の連続の収録現場では、こういうキャラは、非常にありがたい。)

8名のデュボワ・メソッドの受講生たちには、メソッドに登場する音楽ワークをやってもらいました。慣れない現場で、辛抱強く、最後まできっちりとやってくれたことに、本当に感謝しています。彼らにとっても、いつもの授業とはまったく違った、かなり濃密で、予想以上の集中力を要求するキツイ作業だったと思います。この経験が、きっと、何かを得るヒントになっていると思います。ひとりひとりのお名前は、CDにクレジットします。

現場で、細かく動いてくれた平井恵美さん(プロデューサーアシスタント)、山中理恵さん(映像アシスタント、デュボワ・メソッドの音楽ワークの指揮者)の両名にも感謝します。
そして、エグゼクティブ・プロデューサーで、僕のマネージメントを担当している木村彩。全体の状況を把握して、動く役回りです。

今回のレコーディングでは、こおろぎ社(福井県)の「パーフェクション」という最高のマリンバを演奏させて頂きました。これほどの素晴らしい楽器を生み出した齋藤社長の熱意と高い技術力、そして、今回のプロジェクトへの並々ならぬ暖かい応援に、営業担当の井澤さんと共に、心から感謝しています。

そう、そして一番感謝してもしきれない大切な方が、目黒不動尊の瀧口康道師です。僕らのプロジェクトをまっさきに支持してくれて、まさに一緒に創りあげてくれた方です。
素晴らしい準備と配慮で、さらには、お寺の重鎮であるご住職と、ご次男のご協力まで仰いで挙げて頂いた「観音経」。
まさに、お寺が総力を挙げての協力態勢でレコーディングを完了することができました。

今度は、10日後にミキシング作業が待っています。CDになるまでには、まだまだたくさんの行程が待っていますが、どうぞみなさま、音が手元に届くまで、わくわくしてまっていてください。

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奇蹟のレコーディング@目黒不動尊

先週末、とうとう14枚目のアルバムのレコーディングをしてきました。

場所は、あの都内の名刹、目黒不動尊瀧泉寺です。
ここは、日本三大不動で、開山はなんと9世紀の西暦808年。

最初に言っておきますが、音楽を言葉で説明することほど
野暮なことはありません。

だから、どんな音楽になったのか、なんてことはここでは書きません。
(むしろ、書けません。いくら書いても書いても言葉足らずになるばかり。)

ただ、ずば抜けて凄いサウンドが録れた、とだけ言っておきます。

テーマは「瞑想」です。

凄腕の録音エンジニアチームの磯野順一さん、市村隼人さんに
入って頂き、真空管マイク(!!)で、丁寧に録っていきました。

映像ディレクターには、腕とセンスをかってフランス人のGaelに
入ってもらいました。

↑目黒不動尊執事、瀧口康道師と共演。

作曲は、僕フランソワ・デュボワですが、 演奏は僕と瀧口師、ご住職にも入って頂き、

お経も上げていただきました。

↑ HDカメラ3台、真空管マイクを6台、さまざまなところに配置してスタンバイ!

↑映像ディレクターのGael.

↑手にしているのは、真空管です。

精鋭のチームで、全曲合計120分の音楽を、すべてワンテイクで録りきりました。

スタジオ収録をしたことがない方には、その大変さがいまいちピンと
来ないかもしれませんが、実は、これは大変なことなんです。

レコーディングは、スケジュールが遅れると、それだけ大変な損害が
発生します。まさに時は金なり。

↑ケイと呼ばれる仏具鳴り物も使います。

↑上段にいるのが、瀧口師。レコーディング前の週の、リハーサル風景。

だからこそ、決意と気迫と、今までのプロフェッショナルとしての経験を
総動員して、一気に弾きあげました。

↑使った大量の楽器類!!!「アリババの洞窟」=宝物です(笑)。

目黒不動尊は、東京のど真ん中にあるにも関わらず、21世紀の今でも
不思議と穏やかな空気が流れる、杜の中のサンクチュアリです。

↑慈覚大師圓仁の掛け軸です。


これだけ不思議なエネルギーを湛えている霊場なのですが、
たとえNHKの取材カメラでさえも断わられている所です。

↑こおろぎ社のマリンバ「パーフェクション」です。日本のマリンバメーカーで、世界一の音を出します!

↑協力してくれたデュボワメソッドの講師、受講生たち。

デュボワメソッドの音楽ワークも登場します(^^)

だけど、それだけ厳しいところで、なぜ音楽の収録ができたのか。

それは、副住職と僕の個人的なご縁と信頼関係がある、ということと、
今年が慈覚大師圓仁という、日本の仏教界に多大な影響を及ぼした9世紀の
高僧の御遠忌1150年目という特別な年であり、圓仁へのトリビュートアルバムとして
制作させてもらったからです。(圓仁が目黒不動を開山しました。)

さまざまな要素の積み重ねで、奇蹟のレコーディングが実行され、
大成功させることができました。

ご住職・副住職をはじめ、たくさんの関係者の応援とご協力を
頂いて収録されたサウンドは、この世のものとは思えないサウンドです。

お寺の中でも、特に副住職も僕も気に入っている観音堂の中で演奏・収録しました。
観音様に向かって演奏された曲たちは、あたかも目に見えない力に
後押しをされたような、不思議な魅力を含んでいます。

このあと、ミキシングとマスタリングの膨大で緻密で作業が、来月待ち受けています。

また、続報を流します。

どうぞ楽しみにしていてください。

写真撮影 by 磯野順一、市村隼人、フランソワ・デュボワ