持久力を伸ばす

この3ヶ月間、武当山でたくさんのことを身につけました。

大人になっても、まだまだ学びを通して身に付くもの、
伸びるものは、無限にあります。
自分も、以前に比べて、視点の持ち方や
生き方が格段に成長したことを、
日々のいたるところで実感しています。

ただ、武当山ホームシックは相変わらず続いていますが(笑)。

山に行って、明らかに伸びたもののひとつが「持久力」です。
もともと自信のあったものなのに、実は当時の持久力まだまだだった、
というのが、今となっては分かります。

初めてお寺で稽古をしに行った時、
師父と全員の前で自分が日本で学んだ知っている型を披露することから
始めました。

型がうまくできたかという能力とは別に、
私が猫背気味なので全体の姿勢が
良くないということを稽古の最後に注意されました。
とにかく、まっすぐの姿勢に矯正しなさいと言われたのです。
そのためには、四六時中、頭の上に何か物を載せるのがいい、
とアドバイスされました。
一番いいのは、落としては困るような、大事なものを載せること。
ただし、それを選択するのは君の自由だ、とも。

実は、私よりも先に、同じ訓練をしていた中国人の生徒がいたのですが、
彼の場合は本を頭に載せていました。
本が落ちても大したことないなぁ、なんて思っていたので、
私の場合はグッチのサングラスをケースに入れて
頭の上に載せることにしました。

はじめは、何とも滑稽な見た目になったことが恥ずかしくて、
みんなもくすくす笑うし、何かと頭の上をしょっちゅう
見られているのが分かっていたので参りました。
でも、先輩の一人が「ここでは、それぞれに変わった
特訓をするのが当たり前だから、気にしなくていいよ。」
と言ってくれたものです。

めがねケースを頭に載せる時間は、起きている間中、
ずっとです。
顔を洗ったりだとか、飛んだり跳ねたりの動きの激しい
稽古をする以外は、常に頭の上にあります。

私がいつもその練習を積極的に続けているのを見て、
師父も満足げに見ていました。
私と廊下ですれ違う時も「良し」と言った感じで頷いて
見てくれていました。

でも実際のところ、頭の上にあるものを落とさないなんて
なんとも難しい注文でした。
よく滑るので、しょっちゅう、手で滑り落ちるのを食い止めていました。

そして、次第に、意識がそこに行き過ぎてくるようになりました。
すると、だんだんと緊張が高まってきます。
そして、それが性格にまで影響を与えて、「堅く」なってきているような
気になってくるのです。

あまりにもめがねケースの存在が気になり過ぎて、
ある程度でもう止めようかと思いはじめました。
師父からは絶対やりとおさなくてはいけない、
という事も言われていないし、とにかく、自主性に任されていたのです。

数週間後、同じ練習をしていた中国人の先輩はとうとう嫌になって
本を頭から下ろしました。
それを見ながら、こういう練習なんか東京では二度とできないだろうし、
とにかく姿勢が悪いことを直すことに集中してみようと、思い直しました。

果たして・・・1ヶ月もすると、頭の上に物を載せていることが
だんだん当たり前になりました(笑)。
ある日、師父が「いままで、何回床に落とした?」と聞いてきたのです、
正直に「2回です」と答えると、
師父は落とした「代償」を伝えてきました。
「1回落とすと蹴り100回、2回落とすと200回、だけど、3回目落としたら、
蹴り1、000回。2日後、私は用事があって稽古に出られないから、
その時にやっておきなさい。先輩のSがカウントしてくれる。」
と言ってきたのです。

師父の信条は、「なにをしてもいいが、その代償は必ず払って清算すること」
というものです。
それは人生のどんなことにも当てはまる、黄金のルールと言ってもいいでしょう。

だから、めがねケースを落とした「代償」も払って、清算すること。

さて、問題の2日後、蹴りをする自分の横で、Sがカウントし始めました。
ところが「1、1、1、57、1、1、1、39・・・」と滅茶苦茶にカウントします。
そして「俺は警察じゃないから、監視しないよ。
君がやりたくなくてもちゃんとやったと言っておくから好きにしていいよ。」
と言ってきたのです。
彼は、そのまま自分の稽古をはじめてしまいました。

でも、自分は最後まできっちりやることにしました。
毎日稽古をしている我々にとって、
200回の蹴りなんて大したことではなかったし、
第一、師父に対して嘘はつきたくなかったのです。
ちゃんと目を見て話ができなくなるのが、自分でも嫌でした。

それ以来、一度も、めがねケースを床に落とすことはありませんでした。

最終的には姿勢がとても良くなり、見違えるようになりました。
師父は自分にとって良かれと思ってこの特訓をしてくれたのですが、
成果を手にするまでには、実にいろいろな過程を経ました。
でもその過程の中で、持久力がさらに上がり、
意志力もまたさらに伸びました。

今では毎日のように、あのときの特訓が効を奏していることを実感して、
身体もお礼を言っている気がします。

その時の一時的なストレス状態や不便に惑わされずに物事を見つめることも
時には大切で、それを越えた時に本当の進歩がやってくるものだな、
と自分の体験を通じて実感中です。

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頭の上に物を載せて歩く練習、開始。

最初は、稽古中の写真撮影を禁止されていたので、

隠し撮りのようにして撮ったのでちょっと見づらい・・・(笑)。

右奥にいるのが、自分です。

食事の最中もこんな感じです。

特訓のおかげで、姿勢がまっすぐになりました。

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