ここのところ、8日に控える講演会の準備に余念がありません。
スライドで見せる写真を選んだり、
ビデオをチェックしたり、当時書きためたメモを
読み返したりして、シナリオを作り込んでいます。
時間の経過とともに、その瞬間は大切だと思って
記憶しておいたことでも、だんだんと曖昧になってくるものだと、
つくづく感じています。
また、その時はどうとも思わなかった事が、時の経過とともに、
大切になってくることも出てくるのです。
だからこそ、僕の編集者(講談社)も「(武当山で)ぜひ、
毎日日記を付けてください」と言ってくれていたのだな、
と今更ながら思います。
実際、日記は毎日つけ続けました。
それらが今になって、とても役にたってくれています。
時間の経過とともに記憶が薄れていくのは
人間の摂理で、いい風に作用することもあります。
しかし、同時に、記憶違いやさらには自分に
都合の良い勝手な解釈の余地を与えてしまうのも、
時間の経った記憶の特徴です。
そうすると、フェアな判断よりも、エゴが先走ってしまい、
せっかくの成長のチャンスも阻まれてしまう可能性があります。
というのも、山での日記を見ると、ある時期、どれほど
自分がパニック状態になっていたか、あるいは、
完全に道に迷子になっていたかが鮮明に蘇ってくるのです。
自分でもこれほどまでだったとは、今となっては新鮮な驚きです。
今日、これだけ自分が強くなれたのは、それなりの過程を
通過してきたからだと思うのですが、その過程の渦中にいた
自分は決して誇れる状態でもない、と感じています。
あなたも過去の記録を見返して見てください。
それが書き物でも、ビデオでも、写真でも何でもかまいません。
そして、今と比べてみると、当時の自分と今との違いは、
どこを通過したからかが改めて鮮明に目に飛び込んでくることでしょう。
曖昧な記憶ではない、確かな記録を参考にすると、
今の自分の姿が見えてくることも多いものです。
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フランソワ デュボワ。
東京在住。
作曲家・マリンバソリストと、キャリア教育の仕事をしています。